新潟県の十日町市は積雪が 3(m)を超える日本有数の豪雪地帯で、「屋根を薄い板で浮かして作って雪を載せ、雪のボリュームを見せる」ということと、「建物の外周を閉じ、内部は池を取り囲んだ開放的な空間を作る」ということがデザイン上のテーマである。建物は回廊棟と温泉棟の二つの部分に分かれる。
回廊棟の平面形は外形が一辺 72(m)の正方形で、内部に一辺 42(m)の正方形の中庭(池)がくりぬかれ、15(m)幅のロの字形に連続した空間となり、この上部に屋根スラブを浮かせる。建物外周部は、構造体である鉄筋コンクリート壁が屋根面より 1(m)下がったレベルで完結し、その上部 1(m)は鉄骨造の束柱が鉄筋コンクリート造と鉄骨造のハイブリッドな構造の屋根を支えている。内部側は 6(m)ピッチで鉄筋コンクリート柱が並び、屋根の端部の梁を直接支えている。屋根スラブ下端は建物全体でフラットな面とし、コンクリートの薄い板を鉄骨で補強するシステム。
温泉棟は平面が 72(m)x 18(m)の平屋建てで、構造形式は基本的に回廊棟と同じである。