特異な空間と形態を持つ木造住宅。小区画に分節された床が、少しずつ異なったレベルで中央の吹き抜け(階段)の周囲を取り巻いている。
枠組材を二枚一組とした柱と構造用合板の耐力壁を組み合わせて全体の安定を保っている。屋根の形態は、大きさ、形状の異なる八つの面を立体的に組み合わせて作っており、八つの面のうち四面は平面で、他の四面は捻れた面(HP面)となっている。
木造床の厚みは全て 250mmとし、応力に応じて枠組材、集成材、鉄骨梁を使い分けている。床の段差部分は構造用合板を貼って一体化しているが、建築的に切り離すべき部分は鉄板による結合を行い、地震力の伝達経路を確保している。
屋根は面的な立体構造として組み立て、面外方向の補強リブや陵線部の補強材として梁材(枠組材及び集成材)を用いている。合板は枠材に釘留めしており、接合部では合成を確保するためアラミド繊維で補強し、全体を木造の折板構造としている。