まちづくりの一環として計画された社員寮である。大きな一棟の寮ではなく、2階建ての住戸棟と共用棟を複数棟に分けて配置することで、周辺のまち並みに近いスケールをつくっている。各棟を縫うように配された雁木状のアーケードは、雪国の生活動線を守るとともに、分棟配置による建築群を一体的に結びつけている。
A・B街区では、住戸棟を合板耐震壁主体の在来軸組工法により構成し、共用棟では開放性を確保するため、筋交いや方杖ラーメンを組み合わせた。アーケードは、各棟と一体化する部分では水平力を本体側の耐震要素に負担させ、独立する部分は方杖ラーメン架構としている。
C街区では、A・B街区での考え方を継承しつつ、住戸棟を工場製作のパネル工法とし、品質と施工効率を高めた。パネルは構造材に加え、断熱、防水、サッシ等を一体化し、現地では金物工法により相互に接合している。また、アーケードについても、幅の狭い部分では方杖による片持ち架構とすることで基礎を省略し、工期短縮とコスト低減を図った。