1973年に竣工した能楽堂の耐震改修である。
耐震診断結果より各階、各方向で一般的な建物の耐震性能を満足する結果であったが、壁の偏在による建物の偏心を抑える補強を行い、更に耐震性能を向上させた。1、2階にある北側及び東側のはね出し部先端の壁の下端部に柱の新設を行い、壁の回転を拘束し耐震要素とした。
見所の天井は地震時の振れ止めのために各方向にブレースを新設した。東西方向は本体架構と接続している部材が存在していなかったため、部材を新設し本体架構と一体化した。部材補強部材の接合には溶接を用いず、ボルトでの接合とした。また、一部の吊材は点溶接で吊られていたため撤去し、新たに吊材を設けた。