新潟市民芸術文化会館は、平成10年に竣工した、コンサートホール、劇場、能楽堂、共通ロビーを有する延床面積約25,000㎡の総合芸術センターである。
すべての特定天井の改修工事が行われたが、特にコンサートホールは下向きに凸の曲面が複数連なった特殊な天井を有していた。
本建物はコンサートホールとしての評判が良く、また音響への影響を最小限とするため、使用しながら短期間の閉館を複数回設け現状の天井形状を維持したまま天井内での工事とすることが前提であった。
3 次元測量によって既存部材と設備配管の位置の把握を行い、その結果を3次元CADで表現し、設備ダクトや配管を避けるような補強部材の配置計画を行った。
補強部材は極力軽量のものとすること、現場での接合はボルトやビスのみで行い溶接は避けることを前提とした。
既設の吊材は全て存置して手を加えず、長期荷重については現状通り既設部材が、地震荷重については補強部材がそれぞれ負担するように考えた。